恋愛日記

「きょんくん、だいじょぶ?」

心配そうにのぞきこむ真美。
試合前のアップがおわって、そっと外に出た。
久々の震え。
緊張なんて、普段は絶対しないのに。
ショットがブレたら困る。負けるわけにはいかないんだ。

「お前に心配されるほど落ちぶれてねーよ。」
笑いながら言ってても、上手く笑えてない気がする。

誤魔化せてないことくらい判るけど。
心配してくれるのは嬉しいけど、不安にさせたくはない。

「ねぇ、」
そっと伸ばされた手。
若干背伸びをして、俺の髪に触れられる感覚。
そのまま頭を撫でるように動かした。

「背ぇ足りなすぎw 前髪グシャグシャにしただけじゃねーかよ。」
悪態をついてるはずなのに、くしゃっと嬉しそうに笑う真美。

「大丈夫だよ。ちゃんと、きょんくんのこと、おうえんしてるよ。」