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「おざっす。」
集合場所で待ってしばらくすると、監督がきた。
「おう、涼介。なんだ、気い張った顔して。
今日は練習試合なんだから抜いて行けよ。しかも相手は東中だろ?」
普段なら適当に流すよ。
でも、今日はちょっと事情が違う。
「いやぁ、今日は勝ちたいっす、俺のライバルいるから。」
なんだかんだで、昔から真美の一番近くにいる奴。
俺は優しくしかできないけど、気にせずじゃれてイジメて。
それなのに真美は嫌わない。
俺だって、恭也の気持ちには気づいてる。
初めて恭也が真美に会ったとき、惚れたって気づいた。
幼心にも、会わせなきゃよかったって、後悔すらした。
恭也が本能で真美の心に触れるなら
俺は、真美の全てを受け止めて、守りたいから。
「俺も15っすよ?察してよ。」
そう言うと、妙に監督が顔を赤くした。

