なんとなくだけど、感じる。
あたしが勝ってって言ったら、恭也は勝ってくれると思うんだ。

そしたら、涼介は電話してくれないかもしれない。
悲しそうな笑顔を残して、会ってくれなくなっちゃうかも。

でも、自分から電話したっていいんじゃないかな。


今はそれより…
「もうちょっと、きょんくんに迎えに来てもらう毎日を過ごすのも、悪くないかも。」


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「もうちょっと、きょんくんに迎えに来てもらう毎日を過ごすのも、悪くないかも。」

そう言って、にっこり笑う真美。
そこは照れて見せるくらいしろよっておもうけど

「ばーか。」

腕を回して引き寄せる。
本当はこのまま抱きしめてしまいたいけど。

まだ勝負はこれからだから。
だからかわりに髪をぐしゃぐしゃにしつつ、“いいこいいこ”をした。

「ちょっ、きょんくん…!」

でも、絶対に。

「勝つよ。お前がそうしてほしいなら。」