ぽん、とあたしの頭に手を置いて額をあたしの額に当てた。
「ああ。」
なんか、今日の恭也は優しい。
そのことが嬉しくて、自然と頬が緩むのが自分でもわかる。
「だって、真美。
お前、バカじゃん。」
………え?
そうやって言うと、そっと額を離された。
本当……
「最っっっ低!」
怒ってるのに、頭をポンポンと軽く叩くと勝手に帰っていった。
「なんなの、あいつ…」
でも、いつもより優しかったのは本当。
でも、なにかもっと違う何かがあった気がする。
…結局恭也は、何をしに来てたんだろう。
とりあえず、次の授業はサボろう。
もう一度思って、また音楽室に向かった。

