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恭也は、あたしの答えで一瞬眉間にしわを寄せたけど、
「本当、脳みそ豆腐だな。」
って言うと、呆れたように笑った。
だから葵にかくれるのをやめたら思いきり髪をグシャグシャにされる。
よし。直さなきゃ、って理由で次の時間サボろう。
「いやぁ…いじめだ、」
あまりにもぐしゃぐしゃにされすぎて、ちょっと悲しくなる。
「じゃあ、お前は犬をみても“あー、よしよし!”ってしないんだな?」
「するかも…。
でも、あたしは犬じゃないよ!」
言い返すけど、軽くあしらわれてるのは明白。
「もぉやだ。きょんくん、きらい。
だって、あたしのこと馬鹿にしてるもん。」
やばい。また泣きそうになってきた。
「いや、それはない。絶対してない。」
珍しく、すごく真面目な顔で言うから。
「本当?」
聞き返したけど、ちょっぴり嬉しかったりして。

