恋愛日記

「そう、海藤彰君か。
よかったらバスケ部おいで。」


その一言だけ告げると、
何事もなかったかのように

「晃治、いこ。」

と言い、帰っていった。


「なに、あの嵐みたいなひと。」

葵のその表現に思わず笑った。

引っ掻き回して帰ってく自由さ。
確かに嵐みたいだと思った。

ふと、背後で靴が床と摩擦する音がして振りかえると。


「おいっ…」



ドアに凭れかかる、最高に不機嫌な顔をしてるのは。


「きょんくん、」

つかつか怖い顔して寄ってくるから、急いで葵の後ろに逃げ込んだ。