でも、まだまだ。
そう意気込んだけれど、恭也が微かに笑うのをあたしは見逃さなかった。
あの笑い方はまるで、“ちょっとはやる気だすか。”とでも 言うかのようで。
そう、“やる気”。
まだまだ本気には程遠い。
そう感じさせるようで。
格が違う。
あまりにも遠い……
そうはっきりと刻もうとする思考回路を絶つように、再びボールに意識を集中した。
気がつけば残り3分。
通しての13分のゲームはかなりしんどい。
それでもボールを見ればあたしの足は動き続ける。
負けられない。
でも、現実は厳しい。
天才は、認めたくないけどいるんだ。
折れそうになる心を無理矢理修正する。
あれは、あたしの、太陽。
渡さない。
恭也が自分の目の前に一毅を立たせる。
ほぼ手渡しに近い状態でファーストパスを一毅に渡す。
嫌な予感。
恭也のスピードには勝てない…!!
そして。
恭也がコートに入ると同時に、一毅が恭也にボールを渡した。
あたしと滝川先輩はスクリーンをかけられたけど、あたしはなんとか抜け出した。

