威圧感なんてないはずなのに、動けなくなる。
「もし…」
その声で、森羅万象から切り離された様な感覚になる。
代わりに、全ての中心が恭也になったかのような錯覚。
「もし、今俺がコクったら、
どうする?」
言葉に脳が追いつかない。
理解できない。
“もし、俺がコクったら”
その時、ふと恭也がスカしたように笑った。
一瞬にして、現実が戻ってくる。
時間が濁流のように流れ込む。
その分、今までの何倍もの速さで脳が働き出す。
“魔法”はとけた。
「そこは困った顔するとこだろ。」
真面目に受け止めたのに。
だからこそ、本気で驚いた。
なのに。

