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いつもより少し多い荷物を持って家を出る。
「あんまり遅くならないでねー!」
ママが言うから、ふりかえって手を降った。
恭也次第なんだけど。
絶対居残りたがるもん。
公園は10分くらいのところにある。
その公園を突っ切ると近道なんだけど、
あんまり遅いと人通りが少なくて少し不安。
その入口付近にヘッドホンをしながら柵に腰かけつつ、ケータイをいじる姿。
近くに行くと気づいた様子でヘッドホンを首にかけた。
「おはよ、」
「…はよ」
あ、うずうずしてる。
一見クールにポーカーフェイスだけど、ボールを触りたくて仕方ないんだ。

