::

涼介に塾まで送ってもらって、そこでケータイを開くと


『時間あるときにメールして。勿論今日中。』

さっきあたしが文を打ち込んで見せた所にそう書いてあった。

十中八九恭也だと思う。


メール?

面倒。打ってると本当に。


まだ恭也、遊んでるかな?
まぁ、いっか。電話しちゃお。



恭也の“待ちうた”が流れ出す。

あたしの大好きなアーティストの曲。
でも、2コールくらいで曲が止まった。


『もしもし。』

「もしもし、今ちょっと時間大丈夫?」

恭也の声は少しかすれたようで、息も少し乱れていた。

今、どこにいるんだろう。

『あぁ、いいよ。』