さっきの冷たい怜くんはいなくていつもの優しい怜くんに戻っていた。





怒っているっぽいけど、笑っているようで……





いつの間にかあたしも笑みがこぼれていた。






「ったく……帰るぞ。」




あたしの手を引っ張っていく怜くん。





その姿がどこか知樹先輩に似ていて……





思わず見惚れてしまった。





「おい、歩かないと引きずるぞ?」





ひ、引きずる!?





「嘘に決まってるだろ、ほら行くぞ。」





怜くんに言われて歩き出す。





そして、さっきから気になっていた事を聞いた。





「知樹先輩に頼まれたって…?」





「あ、それ嘘。俺が勝手に言った事。」





え、嘘!?




でもなんで??





「気にするな。それと、知樹さんには言うなよ?」