はじめてのスキが君でよかった。

「潤未ってクールそうに見えて意外にそうでもないよね?」


「彩、それずっと言ってたよね~?」


砕いたビスケットに溶かしたバターを流し入れジッパーをしめ手で揉み込む。


「彩も千夏も分かってないな~。意外に冷めてるよ潤未」


美月の言葉を聞き流す。



型にオーブンシートで作った型紙を敷き、ビスケットを入れる。
大きめのスプーンで平にして固める。


「潤未、基本的に気使って生きてるから一生懸命に明るくしてんの。ね~?潤未」


「ちがいますー」


肩に乗る美月の腕が邪魔で仕方がない。

柔らかくしたクリームチーズに砂糖を入れ、軽く切るように練り混ぜる。

小さい木べらが使いやすい。

「潤未って本当にお菓子作り上手いよね」



「思った!詳しいよね」


「小さい頃からお菓子が好きで、やってただけだよ」


次に卵を入れる。

「美月、卵割って。違う器に割って殻がないか確認してボウルに移して」


「あ、了解」


不器用ながらも美月は卵を割り入れた。

「美月。あと、オーブンを170℃に余熱しといてね」


「余熱っ?」


「牧田ちゃんに聞いて」

美月は牧田ちゃんに走り寄った。


ここで、ハンドミキサー。

一番中間の速度で軽く。
その後に生クリームとレモン果汁を加える。

また、中間速度で混ぜたら薄力粉を茶こしでふるい入れる。


最後に高速で綺麗にダマが無くなるまで混ぜて、
型に生地を流す。