「一歩ーーーっ。
 今日めっちゃねむたかったよね!!
 ずっと意識とんでたよぉー!!」


と、前の席からかわいい発言をしてくる
こいつはあたしの親友、白石華だ。


名前のはなやかさと同じ位
ととのった顔、すらりと伸びた足。
いつもおだんごにしている髪は
おろせばつやつやと光沢を放っている。


その割に頭がいいとはいえず、
天然で運動もできない。笑


だけど純粋でやさしくて、

中学校のときからずっとなかがいい。










「あたしもだよー、
 ぜんぜん話きいてなかった。」


なんて大嘘をつく。

先生の授業中に、
話をきかないわけがないのに。




「だよねー、
 もう今度のテストは一夜漬け決定だよ...」
と、華が顔をしかめる。


どうやら保健の前にあった
数学からぶっとおしでねていたらしい。


「またおしえてあげるから。
 なくなって。」


「ぶーーー、ありがとうーーー。」

いつもテスト前にはあたしが
華に勉強をおしえている。
あたしは勉強がとくいなほうで、
特に文系は好きだ。
県の英語スピーチコンテストで
入賞したこともある。




「保健はもうすてるっ。」


「コラコラ。笑」


「なんで一歩はちゃんと数学とかもできんのに
 技能教科も点数いいわけーっ。
 ずるいよーー。」


技能教科っていっても、
保健だけなんだけど。

この間あった
中間テストでは、
保健はクラス一位、学年四位の
成績をとった。


だからといって親とか担任から
ほめられるわけじゃないけど、



先生に少しでもあたしのことをしってほしくて。
保健を勉強するのに
二時間もかけた。