「・・・・・・。」
呆然と走っていく彼女を見送った
だんだん小さくなり、
何色か分からない傘の色が水色に変わった頃、ふと足元を見た
「 ? 」
床に長方形の何かが張りついてる
封筒か何かか?
おそらく"水滴が落ちた"というより"水浸し"に近い石タイルの床に落ちて、水を吸って張りついたのだろう
破れないようにそれを剥がす
「………え?」
泥や汚れの混じった水を吸ったせいか、色が少しくすんでいたが、その封筒はあの傘とまんま同じ色をしていた
「―・・・・・・。―」
心の中と現実で
絶句がシンクロした
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