とパタパタとした足音が
近づいてきた
さっきよりは軽やかで
パタパタ で表せる音だった
廊下の方に目をやると
彼女が下駄箱にでてきた
「・・・・・。」
目をまん丸にして、
僕の方を凝視している
まぁ、当然と言えば当然だ
"行き"ではおそらく彼女にとって
僕はいない存在だったのだから
「……何してんの?」
微妙に裏返った声で
そう聞いてきた
「傘なくて、
ここで立ち尽くしてた」
微妙に裏返った声が少しおかしかったが、顔には出さず
そつなく答える
「………ふーーーん……」
そう返した彼女の声が
妙にぎこちなかった

