俺は声のした方へ走る。




会場の脇の廊下の辺りだ。




1人の男が美沙の両肩を掴んでいる。


顔が近い……





その光景を目にした瞬間、俺の中で何かがブチっと音を立てて千切れたような気がした。



ズドッ!!



肩を掴んでいる男を思いっきり後ろから蹴り飛ばす。