ついに今日、
告白をする時がやって来た。
別に何処かの大会に決戦に行くわけでもなければ、結婚をする訳でもないのに人間やはり緊張してしまうものだ。
部活は終わり、またゆかりちゃんが手伝ってくれたおかげで先生と二人っきり。明日から修学旅行だし、今日告白するのには最高の日だった。
もちろん今日の話は私から話し始める。
「先生」
重々しくも、真剣に声をだす。今更ながら、声が震えてないか緊張してきた。
「はい」
先生が話にのってきた。ここまではいつもと変わらない。問題はここからだ。
「実は、前に言ってた好きな人の名前。今なら言ってもいいかなと思って」
この言葉だけでも、長く感じた。大丈夫かな?変じゃないかな?と不安に思ってしまい、つい弱気になるがなんとか気持ちを沈めた。
「はい、じゃあー15の決断ですね」
突如、先生がそんな事をいい始めたので私は混乱した。
「へっ!?15の決断って?」
一瞬慌てたものの、聞いてみる。
「え、だってりささんが今15歳でしょ?で、告白するから決断ってことに…」
先生は、そっちの意味の告白だとは思ってないんだろうなーと思いながらも話を進める。
「あーそういう事か!…それでですね!」
やばい!緊張し過ぎて敬語になってしまった!あぁ…大丈夫かな…しかも、途中から声がでかくなったしきっと先生も…
「はい」
案の定先生も驚いてる。びっくりしたんだろうな…
「私が好きなのはー…先生なんですっ!!」
こうなったら覚悟を決めてついに告白をした。
「えっ…私??えっと、ありがとう」
やっぱり気付いてなかったか…嬉しいような嬉しくないような…ほんと、先生は鈍感なんだよな…先生はこうみえても国語の先生でもある。
ありがとう…か。よかった…先生が前に言ってくれた言葉を思い出した。
『私は、同性愛でもいいと思うよ?』
って笑顔で言ってくれた。嬉しかった。
その頃は、ちゃんと異性が好きだったし先生に相談にのってもらってたんだけど
気付いたら先生に恋してた。同性なんて初めてで戸惑う事もあったけど、今告白する事が出来てよかったと思った。
「うん。それでですね」
「あ、はい」
急展開に困ったのか、先生の言葉が詰まった。
そう、目的は告白以外にももう一つある。
それは…
「卒業したら、文通がしたいですっ!ダメですか?」
私は言った。