気まずい。
先生はかなり鈍感なので、私が先生の事を好きなのは知らない。
でも、私に好きな人がいる事は知ってる。その人の事を先生に話してるのに、その人が先生本人だって事には気付いてない。
「りささん。最近はどうですか?」
先生は私に聞いてきた。こうやって困った時は、先生が話しかけてくれた。この優しさも先生のいい所だった。
「最近は…好きな人が…」
私は好きな人が、先生と言うことを言う為に、話題をふる。
「好きな人が?」
先生が笑顔で聞いてきた。
「好きな人が大好き過ぎるんです!」
違ーーう!!私は、告白しようとしたのに、何故か話がずれてしまう。確かに大好きなのは間違ってないのだけれど…
「そっかーよかったね」
にっこりと優しく微笑む。
うん。貴女なんですけどね。何故か悲しくなりそうになりながらも会話を繋げようと試みる。
「そういえば、最近好きな先生がクラスの皆にばれて…」
また話をずらしてしまう。やはり、間違ってはいないのだけど…。
「えっそうなの?でもまぁ…そのうち忘れるんじゃない?」
この話題には少し驚いた様子。ごめんね。それ、先生だから…
「そうだといいんだけど…」
曖昧な返事をして…やばいっ!会話が続かない!ああ…えっと…
「じゃあ、好きな人と頑張って下さい。さようならー」
笑顔でそう答える先生。その好きな人が先生本人だなんて…言えない…言えないっ!
しかも、気がついたら職員室前で先生との別れ。もう今日は告白出来ない…仕方ない、今日は諦めよう
「さようならー」
そう言って、私は職員室を後にした。
生徒玄関では、先に走っていったゆかりちゃんが私を待っていた。
ゆかりちゃんは私を見つけると手を振ってくれた。
「まっちゃん先輩~どうでしたー?」
「ダメだった…でも次こそはっ!修学旅行旅行前には、言う目標があるから!!」
そう私は、修学旅行前に告白しようと思っていた。
修学旅行は5月の終わりにあるから、修学旅行まであと少しだ。
こうして今日も校門までゆかりちゃんと歩き、別れて帰宅した。
次こそは告白出来ると信じて。
そして今日も先生は可愛かった!

