私とシリルが部屋に入ると、座っているクロエが、制服らしきものを目の前で広げてまじまじと見つめていた。


彼女のすぐ手前、部屋の中央には、大きめの丸い机が置いてあって、その上には残りの制服と食器、お風呂セットなどなど……、生活用品が一式並んでいた。


一瞬呆気にとられるけど、すぐにこの前の先生の言葉を思い出す。


『生活用品は、もう人間界に送ってあります。部屋のどこかにあるはずなので、着いたら探してみなさい』


とか言ってたような……。

って、すごい量! これ、生徒全員に行き渡るんでしょ、……よく買えたな。



「うわ……」とシリルが机に歩み寄り、制服を手に取る。

黒に近い紺色のブレザーと、同じ色味のズボン、そして赤いネクタイ。



私も隣にたたまれているもうひとつの制服を手に取った。

シリルと同じ色のセーラー服、プリーツスカート、赤いリボン。

思わず感嘆の息が漏れる。