「死神の姿は、5分以内に死ぬ人にしか見えないでしょ?だけど、このネックレスをつければ、死期が近くない人にも見えるようになるんだ。
はい、2人の分」

そう言ってシリルは、細い銀色のチェーンの先に小さな六芒星のついたネックレスを私とクロエに渡した。

つけると、ひんやりとした触感だけが首に伝わる。

でも変化はそれだけで、特に変わったことは感じ取れなかった。

「これでホントに見えるの?」

銀のチャームをいじりながらシリルに聞く。

「あのおばさんが見えたんだから、見えるんじゃない? 僕自身は分かんないけど」と首をかしげながらシリル。


ていうかシリル、どんだけ先生から託されてるの……。
成績一位は、一応私なんだけどなあ。


すると、クロエがおもむろに立ち上がり、隣の部屋にかけていく。

次の瞬間、

「制服はっけーん!」

と、クロエが叫んだ。