「絶対にシャルビを使うことのないように。 本当に必要になった時だけに、使いなさい。 正しい判断が出来ることを期待しています」 厳しい声で、先生はそう言った。 たぶん、使うことは無い。 使うのは命が危なくなった時だけだ。 ・・・そんな窮地に追い込まれることがありませんように。 「あの、先生」 静かな部屋に、シリルの声が響いた。 「なんですか?」 「日本って、僕たちの言葉は通じるんですか?」 確かに。 私たちはこの言語しか使ったことがないから、日本語というものが分からない。