ターゲットRockOn!!


「人間界へは、数人のグループで行くので、今決めてください」

先生がそう言った瞬間、室内は生徒の声で包まれた。


「ねえ、3人で行こうよ!」

喧騒の中、負けじと2人に向かって声を張り上げる私。

「うん、行く!2人以外に行く人いないし・・・」

頷いたシリルは、そう言って苦笑い。


そのさらに横にいるクロエも、

「あたしも行く!!」

と、よくとおる声で言った。

クロエの声はよく通るから、騒いでいないのに、うるさいと言われることが多い。

こういう時は聞きやすくっていいんだけど。


「では、決まったグループは手を挙げなさい!!」

先生が声を張り上げる。


手を挙げたのは、私たち以外にも、ほぼ全員が手を挙げていた。


「では、そこの3人、来なさい」


そう言った先生は、私たちを指差した。

なんでかな~と思いながら、右の通路に抜けて、先生のところに向かう。


クロエが左隣にピッタリとくっついてくる。

右隣で一緒になって歩いているシリルは、やっぱり無表情。