「そのとおりですね。
あともう一つあるのですが、それは、
人間の『人間関係』というものを学んでほしいのです。
死神に人付き合いはあまり必要のないスキルですが、
将来的に必要になってくることがあります。
そのために、人間界実習を行うのです」
・・・・そうなんだ。初めて知った。
私は少し気になることがあって、手を挙げた。
「質問ですか?ロロット」
「はい。
あの、もし、恋愛関係に発展したときに、
相手を殺せず生かしてしまった場合は・・・どうなるんでしょうか?」
私の言葉を聞いた先生の、メガネの奥の目が光ったような気がした。
「ほう・・・あなたもそうなる可能性があるかもしれないということですか?」
「え!?いえ、私は絶対ならないと思いますけど・・・
もしも、です」
慌てて弁解した私に、先生は柔らかく笑った。
「いい心がけです。では答えましょう。
もしも、ターゲットを生かしたまま死神界に帰ってきた場合・・・・
退学、です」
しん・・・と、空気が凍った。

