冷たい風が肌を撫でる。 下にわんさかいる人間たちは、 みんなコートを着込んで身を縮めて歩いていた。 2月の上旬はまだまだ寒い。 にもかかわらず、私はいつもの制服姿でいた。 死神の肌は、 体感温度を変えられるんだって。 まあ、厚着してると動きにくいし、私にとって都合がいい。 ちらりと腕時計に目をやると、 午後9時を指していた。 そろそろだ。