「家まで送る。」

『いい。自分で帰れる。』


「いいから教えろ。」


『・・・分かった。』


隣で歩く男を良く見ると、整っている。

まぁ、世にいう“イケメン”ってやつ。

ずーっと男の横顔を見つめていると、


「なんだ。」

って、気づかれてしまった。

とっさに前を向き、


『なんでもない。』と言った。


すると、「名前は?」

『影山怜奈(かげやま れな)。 あんたは?』


「俺の事を知らないのか・・・?」

『知るわけないでしょ。』

「ふーん。 俺は赤城陸。龍神の総長だ。」

「へぇ。 族なんだ。」