後輩「はい。ガチャリっと、くそっ、相変わらずドアの立て付けが悪いな。 おっ、ちぃーす、先輩。生きてますか?」

先輩『おう、死んでるよ』

後輩「じゃあ、帰ります。さよなら」

先輩『おい、ちょっと、待ってくれよ。生きてるよ。生きまくりだよ。生きてここにいる喜びを噛み締めてるよ』

後輩「じゃあ、ついでに、そこの埃でも噛み締めててください」

先輩『相変わらず冷たいな~。後輩ちゃんは、そんなんじゃモテないぞ』

後輩「そうですね。……ああ、久しぶりに先輩がマトモな事を言いましたね」

先輩『だろだろ。――――まあ、よく考えたら、俺達、非モテ系人間だからこんなところでダベってるんじゃねえか』

後輩「そうですね。さっきも見ず知らずの女子からコクられたのですが、断って来ました。
運命の人なんて中々、見つからない物ですね。僕も、モテたいです」

先輩『お前は、モテるの意味をこの上無く間違っているな』

後輩「ちなみに、先輩はどんな方が好みなんですか?」

先輩『俺か? 俺は、俺の事を良く分かってくれる女子がいいな』

後輩「なるほど、人類全員ですね」

先輩『それは、俺が単純だと言いたいのか!?』

後輩「いえ、単細胞だと言いたいのですが、あなたの国語の点数を見る限りだと、今の言葉を理解するのは困難でしたね。謝ります」

先輩『……で、お前はどんな人がタイプなんだ?』

後輩「僕は、僕のM心を最大限に引き出してくれるような人がいいです」

先輩『そんな化物。この世に一人たりともいないわい!!』

後輩「閑話休題。お茶でも、飲みますか?」

先輩『飲まいでか』

後輩「ういっす」

先輩『おう、ありがとう。やっぱ後輩ちゃんの茶は美味しいな』

後輩「ありがとうございます。……あと、後輩ちゃんはやめてください」

先輩『いいじゃねえか。本当に、ちゃん――――なんだから』

後輩「この学校で僕の事が女子だと知ってるのは、先輩だけなんですから、もし、他の人に知られたら、僕も先輩もただじゃすみませんよ」

先輩『へいへい、分かってまっせ。 ……お茶ウマー』