幼馴染みの彼の秘密ごと

とっさにあたしは海から顔を逸らす。


そんなあたしの様子を見ていた海は眉間に皺を寄せる。



「梨香。こっち向いて」


「い、いや。いやだ」


「梨香」


「いや」


「梨香」


「いや、だっ、てばっ!」


「……何があったの」


「……っ、」



あたしの“いや”と言う言葉を無視してしつこく、それでも真剣にあたしから目を逸らさずに見詰めてくる。


仕舞にはあたしの顎を持ち、海の目から逸らさせないようにガッチリと固定されてしまい、海が目の前に。


あたしは思わず、言葉に詰まる。