海が笑うとあたしまで笑顔になれる。


昔から海は不思議な力を持っている気がした。



「撮影やっと終わったんだねっ!お疲れ様です!海が出てる雑誌絶対に買うねっ!!」



ニッコリと笑うと少し照れたかのように顔を紅潮させた。


昔からこういう事言うと照れるんだから……。何年経っても変わらないなぁ〜。まぁ、変わって欲しくなんてないけど。


海はモデルをしている。芸名はカイ。


海と書いてカイとも呼ぶからって適当に決めたみたい。


海は物心がついた時からモデルの仕事をしていた。


はやくお金を貯めたいみたい。


海の家は施設だからっていうのもあるんだけど、親に会いたいっていうのもあると思う。



「……てゆーか、リアルって何が?」

「ん?あぁ、それね。さっき洋画見てたんだけどそれがリアルで……。恋愛とファンタジーが合わさったやつで、」

「題名はなんていうの?」

「え?あー、確か……。"ヴァンパイアの最期"っていう感じだった気がするよ?」