机を思いっきり叩き、口を開けてアングリしていると父が"コホンッ"と咽せてきたのがわかり、あたしは慌てて座る。



「見合いってどういう事!?」

「だから言ったじゃない。幸せを分けてあげるって♪」



気分良さそうに机に置いてあったワインを一口飲む。



「いらないってのっ!!」

「えぇ〜。なんでぇ〜？海くんがいるから？」



ピクッ


あたしは"海"という言葉に明らかな反応を見せてしまった。


それに気付いた清香姉ちゃんがあたしを見て意地悪そうにニヤニヤとしている。


あ、悪魔の角が見える……。


厄介なものに引っかかってしまった……。


"海"という言葉で反応したのはあたしだけではなかった。


父も鷹司さんもピクリッと反応したのがわかった。