止まっていたはずの冷や汗がまた出てくる。


ドクンドクンッ…。


鷹司さんはあたしの反応を楽しむかのように不敵に笑う。


え…?今、笑った…?


目を見開いて見るとすぐに鷹司さんは普段の優しい笑みに戻った。


悪魔みたいな笑いはもう何処にも見当たらない。


もしかしたらあたしの見間違い…?


いや…、そんな事はない、はず。


この目で確かに見たんだもの。


鷹司さん……、アナタは一体何を考えているの?



「……梨香!!」

「……え?」

「何をボーッとしているの?もしかして鷹司さんに見惚れてたりした?」

「は?そんな事ある訳ないじゃない」

「ダメだよ取ったりしたらっ!!あたしのなんだからっ!!」