困ったように頬を掻いて笑う清香姉ちゃん。


でもその笑顔は少し引きつっていて汗がタラリと流れているのがわかった。



「なんであたしが関係あるの!?結婚するのは二人なんだよね!?あたし関係なくないっ?!」

「落ち着きなさい、梨香。ゆっくり食事も出来ない。静かにしろ」

「あっ……。ごめんなさい……」



父に怒られたあたしは椅子から立ち上がっていたのでストンッと腰を降ろした。



「……実はね、あたし達。ここに住む事になったの」

「え?新しい住居とかに住むんじゃなくて?」



結婚すると普通は家を建てて、そこに二人で住むんじゃないの?



「あたしはそうしたかったんだけど、鷹司さんが……」

「鷹司さんが…?」

「みんなで住む方が楽しいし、清香はこれから仕事はせずに家にいるっていってたから一人よりみんながいる方が安心でしょ?だからどうかなって勧めてみたんだ。そしたらお父さんもそれがいいだろうって言ってくださって……」



じゃあ、あたしはこれから鷹司さんと毎日会わないといけない事になるの…?


ドクンッ…。


あたしの胸が騒がしくなる。