"恋人"という単語に思い浮かんだのは海。


なんでこんな時に浮かぶのが海なのよっ!!おかしいんじゃないのっ!?


自分の脳を罵ると、目に飛び込んで来たのは鷹司さんの本当に嬉しそうな顔。


それを見ていると少し警戒心が和らいだ気がした。


本当に愛してくれてるんだ、清香姉ちゃんの事。


なんで苦手だなんて思っちゃったんだろう……。



「お待たせ致しました、梨香お嬢様」

「うわぁっ!!美味しそうっ!!やっぱり千咲に選んでもらって正解だった！」

「ふふっ。まだ食べてもいないのに。梨香お嬢様ったら」

「いやっ！絶対に美味しいっ!!千咲が選んだものなんだもんっ!!美味しいに決まってるっ!!」

「ありがとうございます。……それより、梨香お嬢様。いいのですか？鷹司様と結婚なさっても。あれだけ"苦手"って言っていませんでしたか？」



うっ……。


そうだった………。千咲はあたしが鷹司さんが苦手なの知ってたんだった。