「ねぇ、梨香。あたしね、本当に鷹司さんを愛してるの。だから結婚、許してくれない？」

「お父さんはなんて…？」

「許してくれたよ。あとは梨香ちゃんだけなんだ」



チラリと父を見ると静かに黙々と口に食べ物を運んでいた。


お父さんがいいって言うなんて……。


あんなに清香姉ちゃんの事、大好きだったのに……。


父から目を反らすと次は清香姉ちゃんを見た。


清香姉ちゃん……。本当に幸せそうに言ってたな。


しかも堂々と"愛してる"だなんて……。


清香姉ちゃんを見ているとまさに恋する乙女って感じでキラキラと輝いている。


羨ましい……。あたしもこんな風に誰かを愛してみたい。



「……別に、」

「「え？」」

「別に、いいんじゃない？結婚しても……」

「本当にっ!?いいのねっ?!」

「いいよ。あたしには関係ないんだし」

「ありがとうっ!!梨香ちゃん！」



本当に嬉しそうな二人を見ているとなんだか微笑ましい。


あたしもいつかこんな感じで恋人と喜んでみたいな……。