「ねぇ、海……。あたし知らないなんてイヤ。海の秘密、知りたいよ……」



窓際まで近付いてあたしは空を見上げる。


少しだけキラリッと見えた星。


それを見てあたしは小さく呟いた。


海に聞こえるはずもないこの声を。


―――夜はまだまだ長い。


あたしはこれから色々な事の異変が起きるなんてこの時は全然思いもしなかった。