幼馴染みの彼の秘密ごと

少し真剣な声の海にあたしはすぐに顔を上げる。


海の顔を見ると少し辛そうな顔をしているのがわかった。


なんで……、そんな顔するの?



「お前にも言ってないオレの秘密。知りたい?」



海はそう言って少し意地悪そうに微笑んだ。


まるで、辛そうな顔を隠すように………。



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「梨香っ!食事だぞっ!下りてこいっ!!」



そんな父の声にあたしはハッとして覚醒する。


気付けば夕方になっていて海が帰ってから数時間経っている。


なんであたしがこんなに悩まなきゃいけないの。


海だけでいいじゃん、悩むならさ。


なのにあたしの心は晴れない。モヤモヤッと霧に包まれている気分になった。