幼馴染みの彼の秘密ごと

シレッとした様子でなんでもないように言う。


なんで自分の事大事にしないのかな……。昔からそうだよね。無茶ばかりしちゃってさ。


もしかして自分の事嫌いなのかな?



「肘から血が出てる〜。ちょっと待ってねっ!確か救急箱がどこかにあったような気がするからっ!」

「別に対した事じゃないからいらないよ」

「あたしのせいで怪我してるんだから、対した事じゃないのっ!あたしのせいで海が傷つくなんてイヤ!」



少し泣きそうになるのをグッと堪える。


だけど海にはバレてしまったようだ。



「なんで泣きそうになるの。梨香の泣きそうな顔見たくなくて助けたのに。意味がないじゃん。それにオレ自分の事あんまり好きじゃないんだよ。だから大丈夫」



やっぱり……。


やっぱり海は自分の事、好きじゃないんだ……。


辛そうに笑う海を見ているとあたしの胸が苦しくなってくる。



「海の事はみんな好きなんだからそんな事言わないでよっ!あたしだって海の事、友達として好き、なんだからさ……」



言いながら照れてしまう。



「梨香……。ありがとなっ」



ニッコリと嬉しそうに笑う海を見て安心する。


やっぱり海はそっちの笑顔の方が似合う。


ドンドンッ!