「でっかいなー、お前」

ほえー、と羅刹を見上げる少年。

「お前が小さいのだろう、小僧」

「む」

羅刹に言ってのけられ、少年は一目見て分かるほどに不機嫌を露わにした。

「サカズキだ、小僧なんて呼ぶな、鬼」

「鬼か」

面の下でフッと笑う気配。

「その鬼相手に、歯に衣着せぬ物言いよな」

「ああ、おいらも鬼だからな」

「む…?」

少年サカズキの言葉に疑問を感じる暇もなく。

「ほりゃっ!」

サカズキは高々と跳躍、空中でクルクルッと身軽に回転して。

「はいやぁっ!」

遠心力をたっぷり込めた踵落としを、羅刹の脳天に見舞う!