無理矢理に立ち上がる事をやめ、マリアは十六夜の話を聞く。

「そうですか…人間のままですが…貴女もまた『死んでいる』んですね」

「ああ」

十六夜は頷く。

「そうだ。もう殺しすぎた。私の精神は三年前に『死んでいる』…お前が肉体的に化け物なのならば、私は精神的に化け物に成り下がったのだ」

暗殺者として生きる事に疲れ、しかし今更社会に溶け込む事も出来ず。

十六夜はこの世界に足を踏み入れた。

「もう戦う事しか出来ないのだよ、私は」