Extreme city

「不憫ですね…」

愁いを帯びた表情を見せるマリア。

「私より不憫なお前に同情される謂れはないがな」

拳を握り締め、直線的に間合いを詰める十六夜。

左のジャブの連打でマリアを打ちつつ、防御をさせる事で相手の攻め手を奪う。

防御一辺倒になった所で。

「はっ!」

強烈な廻し蹴り!

マリアの脇腹に蹴り足がめり込む。

華奢なマリアが、十六夜のような戦闘慣れした者の蹴りに耐えられる筈がない。

肋骨が数本持っていかれた。

しかし。

「幾らでもどうぞ」

マリアは満面の笑みを浮かべる。

「『私は』痛くないんです」