「驚いた…Extreme cityは比較的科学の発達した都市ではあるが…ゾンビなど見るのは初めての事だ。ここまでの技術を有していたとはな」

言葉とは裏腹に、眉一つ動かさない十六夜。

「防腐処理が迅速に行われた為、状態は概ね良好です…腐臭はしないでしょう?」

そう言って、マリアは微笑む。

消え入りそうな微笑みだった。

…後になって調査が進められた事だが、マリアは片想いの相手に想いを伝える事もなく、撲殺により死亡したと50年前の新聞記事に記載されていた。

まだExtreme cityの政情が不安定で、治安も悪かった頃の事だ。