「ふー…」

大きく息を吐くルーヴ。

金網からグラリと身を傾けた不動は、そのままマットにベシャリと倒れる。

…不動の脳裏によぎるのは、試合前、控え室で散々罵って涙目になっている明日葉の顔。

こんな痛い目に遭うのは、まるでその罰であるように思えた。

が。

「な…何で…」

顔中からボタボタ血を滴らせながら、不動は四つん這いになって起き上がる。

「何で俺が…罰受けなきゃならねぇん…だ…」

完全に膝に来ている。

ガクガク震える足に力を込め、立ち上がろうとするが。