Extreme city

「惜しいねぇーい、もう少しでアキレス腱咬み切れてたのにーぃっ」

きゃふふふふっ、と嗤う雨久の口元は、鮮血で汚れている。

不動の足蹴の一瞬の隙を突いて、雨久は彼の足首に食らいついた。

しかも人体で最も強く最大の腱で、歩行や跳躍などの運動の際に必要であるアキレス腱を。

不動が咄嗟の判断で雨久を蹴り剥がしたから断裂には至っていないものの、最早試合中の歩行は困難だった。