どよめく観客達。

明日葉が立ち上がった。

相当なダメージを受けたように見受けられたが。

しかし、流石は俺達のクイーンだ。

あっさりと敗北したりはしない。

「ま、まだまだ…」

ガクガク震える膝を両手でピシャン!と叩き、明日葉は気合を入れる。

この脚。

脚力だけが、明日葉の頼りなのだ。

最大の武器を自分が信じずに、どうやって戦えというのか。