アガートが言った直後だった。

「!」

明日葉の前髪に走る、静電気のような感触。

それが先行放電(ストリーマ)だと気付いた時には既に遅く。

「きゃあっ!」

明日葉の華奢な体に電撃が走った!

思わず二、三歩後ずさる。

「お嬢さんがスピードスターなのは前評判で聞いている。並みの攻撃じゃ捉え切れないっていうのもな。だけど」

アガートの右手に蒼白い放電。

「電撃の速度には敵うまい?」