そんな訳で今宵も、不動はオクタゴンに立っている。

彼の前にいるのは女性。

しかも17歳とくれば少女と言っても差し支えない。

青い布をそのまま巻きけたような服に、右の二の腕と手首に見事な装飾の腕輪の民族衣装。

腰まである銀の髪を三つ編みにして纏めている。

「踊り娘か何かか?踊るにゃ場所間違えてるぜ」

毛皮のロングコートを翻しながら不動が言う。

「ま、間違えてはいません…」

その少女、シルヴァは反論する。

「い、石動 不動さん…貴方を倒しに来ました…」