試合が終わったドーム。

観客が全て出払ったオクタゴンの真ん中に、羅刹は立っている。

「いい気分だろうなぁ」

そんな彼に向けられる声。

振り向かずとも、羅刹には分かった。

…石動 不動。

聞き間違える筈のない、『弟』の声…。