全身がねっとりと嫌な汗をかいている。朝の目覚めはもともと良くないほうだが、今日は最悪だった。
おかしな夢だ、でも懐かしいような苦しいような、不思議な気持になる。起きると夢の内容は消えてしまう、それが不安になる。
「のんびりしている時間もありません、起きて仕事を始めなければ」
シンスは寝台から体を起こし支度を始めた。

シンス・インセシオ、それがこの男の名だ。 シヴァ王国を守護する騎士団の副団長で文武両道、顔もよし。女性人気も高い希望の星だ。抜けるように白い肌、絹糸のような金髪に 春の泉のように澄んだ青い瞳が美しい。まるで人形のような容姿だが、それは彼がsisterと呼ばれる種族の一人だからだが、その話はまたきかいがあったらしよう。

シンスのしたくが一通り住んだ頃、部屋のドアが叩かれた。

「どなたです?」
「俺だ、もうとっくに朝議は終わったぞ」
やれやれという顔で部屋に入ってきたのは団長だった。

マルク・エサロ・シエニア、貴族の生まれで流れ的に騎士団に入ったらしいが25年ほど前にあった戦争で活躍し、十代の若さで団長補佐の座についた。その後再び起こった戦争で団長をなくし混乱した騎士団を一人でまとめあげ、王国を勝利へと導いた。その後は第一師団団長を引き受け今に至る。
実年齢よりも若く見られる。基本がタラシ、街へ出たならまずナンパそしてシンスに怒られる日々を送る。肌は色白な方でゴールデンイエローの髪、新緑の若葉のような明るい緑の瞳だ。ちなみに妻子持ち。子供は思春期を迎える女の子が一人、最近「パパきもい」と言われたのがショックで家に帰りたくない。

話がそれてしまったので元に戻そう。