どさっと志保をソファーに置いて
武は志保の足もとに跪き
ミュールを取り上げる。
クルリと室内を見回して
いくつか下げてあるドレスと
下にある箱を見て、
「うーん。
これかな?」
少し低めのヒールのパンプスを差し出した。
上品な光沢が志保に似合う。
「あ・・ありがとうございます。」
「いえいえ。
これも仕事だから、気にするな。」
珍しく、にっこりと武が微笑んだ。
「わっ。市川さん・・・笑った。」
「え?
俺がーー笑ったら そんなにおかしいのか?」
「くすくす。
えぇ。だって、いつも仏頂面で
いつでもクールでしょう??
楽しそうに笑いはするけど
そんな優しい笑顔はなかなか見せないもの。」
そうか??
武はまた
不機嫌そうに顔をゆがめた。
そんなつもりはないんだがな。

