エレベーターの扉がぱたりと閉まると同時に
彼ーーー武は
あっさり『秘書』の仮面を脱ぎ捨てる。
「ーーーっつぅか、
なんで、そんなミュール履いてるんだよ。志保さんは?」
「・・・ばれてましたか。」
じんわりと小指とかかとあたりに
擦り切れて赤くはれてきている。
「どーせ、あのバカ上司の好みだろ?
こんな長時間立つようなパーティだったら、
もう少しヒールの低いだな・・・」
「はいはい。くすくす。」
面倒見のいい兄のような武に思わず志保は笑う。
まったく・・
と言いながら武は、
扉が開くと同時に、ひょいと
志保を抱っこする。
「きゃっ。あのっ。」
「あぁ、そんな足で歩かれたら困る。
ロビーと違って誰も見てないだろ。
気にするな。」
「気にするなと言われましてもっ。」
「あぁ、鍛えてるから大丈夫。落とさないよ?」
そうゆう問題じゃ・・
なんて言う志保を無視して、
昴がとっている部屋へと向かう。

