御曹司の秘書さんのため息◆


すると、二人が「え?」と同時に驚きの声を漏らした。

「・・・え?いけなかったでしょうか?」

なんか、
駄目なこと言ったか?

二人の意外な反応に、おれのほうが驚く。


「いや、その、
 めっずらしいな、武がそんな 優しいことを言うなんて。」


失礼な。
俺だって、別にいつも怒ってるわけじゃないし。

「--いや、まさか、飾ってもいいって言われるとは。
 僕もびっくりだ。」

失礼な。
俺だって、別に 始さんの絵が嫌いなわけではない。

ただ、非常識に人の机の上に立ったり、
天井から斜めに絵を飾るとか言ったり、

そういうのは 断固 反対なだけだ。


「そうか。
 うん。
 わかった。じゃぁ、市川、武。
 お前のために、書くよ。」

「・・・?は??」

「意外と、好かれてたんだな。僕の、作品。」


にやりと、笑う。

あぁ、そういうところが、兄弟そっくり。